大野亀がきれいに見える。
大野亀はバス旅行以来、4年ぶり。
レストハウスでソフトクリームで糖分を補給。
暑かったので美味しかった。
大野亀を後に、今回どうしても立ち寄りたかった場所へ向かう。
佐渡一周線から横道に逸れて、海沿いへまっすぐに下ってゆく。
海に出ると佐渡島最北端の小さな集落がある。
記憶は間違いない。
はるか昔、
灯台の麓にあった集落の一番奥にあった民宿に泊まり、
サザエのつぼ焼きを食べたような記憶がある。
小学生にはサザエの苦みは、正直美味しくなかったはずだか、
大人の味覚を知ったような風で食べた。
子供は小さな我慢をしながら、大人を学習するものだ。
この写真の場所を確めに来た。
箸袋に係れた住所と同じ、
藻浦(もうら)。
40年も前の記憶が、ずっと残っていたのだ。
藻浦の朝日荘。
今も看板はついているものの、営業している気配はない。
でも、記憶の場所がまだ形として残っていただけでも、
懐かしく、嬉しい。
当時は灯台を見てから宿に入ったのでこちら側からの印象。
道は当時から拡張されているであろうけれども、
そうそうこんな感じだった。
今日は右端の朝日荘の向こう側から来たけれど、
あの時は宿の先は確かに行き止まりだったから、
道が新しくできたのだろう。
一周線から一直線に海岸へ続く道路に違和感は確かにあったもの。
モノクロにしてあの当時の記憶とミックス。
もっとゆっくりしたかったが、時間も気になるので、
後ろ髪をひかれながら次の想い出の場所へ。
弾崎灯台は佐渡島最北端にある灯台。
建物の反対側に銅像が立っているので、そこへ行こうとしたが、
途中あまりの藪に断念。コロナのせいなのか、ここまでの道路も敷地も草刈りなどの手入れが全くされていない。
まぁ、灯台自体も今は無人で運用されてるのだろうから不都合はないのだろう。
ここは昔、灯台守の映画の舞台になったようけど、
どうしても寂れ感を感じてしまう。
小6で尋ねた時の写真をみると、
きれいに整備されているし、建物の窓にはカーテンがかかってたり、
隣にもう一棟あったり、人がこの灯台を守っていたことがわかる。
弾崎には隣に大きなキャンプ場があった。
岬の先端の展望台まで行けたようだ。
だが、それも、今はこの通り閉鎖されていた。
時間が経つにつれ、
得られるものと失われるものがある。
今日僕は最近手に入れたロードバイクという自分の翼でここにやってきた。
40年前に過ごした場所は残っていたけど発展とは逆の方向に時間は進んでいた。
さぁ、帰ろう。
両津への海岸線は強い追い風、40㎞近く出ることもちょいちょい。
しかし、右足、膝裏痛が久しぶりにキツイ。
何度も止まってはストレッチをしながら、だましだまし。
何とか5時に両津へ戻ったが、
佐渡汽船ターミナル2Fのお土産アーケードが閉まっている。
そして、さらには
前回傷心を癒してくれた「よろこんで」は、
帰りの一杯を期待していたけど、そもそも店内飲食営業をしてない。
観光地佐渡の現状はまだまだ厳しいようだ。
気を取り直して、浮いた時間で新たな楽しみを。
港から数キロの加茂湖畔にある「佐渡グリーンホテルきらく」
露店外湯は外来OKのようなので、
今日の汗を綺麗に流してさっぱりすることにした。
ホテル正面の迎えにある「朱鷺の舞湯」
フロントで料金を払えば誰でも利用が可能。
小さな脱衣所があるだけ、浴室には洗い場もない。
でも、この景色!!
西陽がもろに入って来るので、ちょっと暑かったけど。
誰もいない露天風呂でのんびりと過ごすことができた。
写真も撮り放題。
隣接する休憩所は宿泊者専用。
畳敷きであちらも景色がよさそう。
しょっぱくなったサイクリングウェアから着替えて港へ戻る。
実は、風呂から目星をつけていたお寿司屋さんに電話をした。
しかし、今日は夜営業しないので終わりだと言われがっかり。
フェリー乗り場目の前のお寿司屋さんにダメもとで飛び込んでみた。
ここは、お風呂へ行く時に前を通ったんだけど、
やってるような、やってないような、誰もいなそうな感じでスルーしてたお店。
店に入ると、
お寿司屋のご家族(大正、奥さんと息子さん)が、
小上がりでまさに今から夕食、というタイミング。
でも、聞けば作ってくれるという。
ならば、ということで、生チラシの特上を注文した。
一旦お店を出てターミナルで輪行準備を終え、
再びお店に伺いお寿司を受け取った。
旅の終わり。最終19:30両津発を待つ。
さよなら、佐渡ヶ島。また来るよ。
航跡が名残りとなって水面に続く。
冷えたビールと銘酒金鶴を調達してラウンジで一人宴をスタート。
いつもよりネタをおまけしてくれたと言っていた。
その時のメモによると、
ツブ貝、ヒラメ、えんがわ、とろ、白身、とろ、たまご、げそ、鯛、すずき、ハマチ、あじ、甘海老
13種は確認できたようだ。
こんなチラシをつまみに旅を振り返りながら呑めるなんて、
コロナ自粛で食堂がやってなかったからこそだ。
そう思うと、かえって良かったのかも。
予定通りじゃないことで、思わぬ経験や出会いがあるのが旅。
22:00定刻に新潟港に入港。
それにしても、このお兄さんは北雪の4合瓶をラッパ飲みという漢らしさ。
また行こう、行こう。
あとで気づいたが、どうも、ツールボトルを輪行の際になくしたようだ。
ドリンクホルダーに差したまま輪行していたからなぁ。
ボンベやらレバーやらチューブやらいろいろ一式失ったのは痛いなぁ。